【作品解説】
意匠伝花の花屏風をアレンジした作品である。屏風は室内に立てて空間を仕切る装飾であり二枚二曲から四枚また六枚六曲までつなぎ合わせ、多くは絵や書を飾るものである。茶道では広間などに風炉を置く道具畳の結界として用いる屏風がある。また屏風以外に襖また襖障子がありこれらに描かれた襖絵や板張りの板戸に描かれる板絵の戸など広い範囲の種類がある。
この作品は屏風と襖の両方のイメージをアレンジした物で四曲四面仕立てであるが中央二面を後方に左右二面を前方に配置している。この作品の構成は後方から松を前方に流し山の遠景を表現している。構えとして後方上段と中間の下段そして前方右には青磁の花器に秋の紅葉をいけている。三段構えにより平面的な屏風に立体感を演出している。秋風にそよぐ松の風の音と紅葉、秋草、秋の実物を絵画風に表現している。